近未来開拓者蟻の伝説
日々、辛く心落ち着かず。
後悔ばかりが募り、あげくの果てに死に憧れ、しかし、死ぬことは恐怖であり、出来ず。
生まれ起こされたときから、我ら未来の開拓者としての任務を与えられ、働き蟻として教育を受けた。
教師はカマキリかバッタか、教えることは、つまらなく蜜の味もしない。
結局、砂場を這いずり回るだけ、仲間をみれば目が虚ろ。
仲間が子供に踏み潰された日には悲しむ余裕もなく、翌日には同じような蟻が死んだ仲間のかわりになる。
心は死に絶えた、痛みも感じない。
"僕は蟻"
昨日、使われていない洞窟を見つけた、外には青い空が輝く。
僕は決めた。洞窟を通り抜けようと。それは回りを乱し、親蟻を悲しませる。
しかし、これも定め。
働かない自由蟻がいてもいいじゃない、死はいつだって近くにいる、君にも聞こえるだろう足音が。
コッン コッン コッン
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