無重力の性的衝動

  彼女は野獣だった。
男どもを喰い散らかし、心や魂までも丸飲みにした。
  でも、男どもは誰も彼女を恨みはしなかった、喰われたことにもきずかなかった。 むしろ、喜びを感じていた、会話する度に、美しい瞳で見つめられる度に、そして彼女の中に射精する度に。
  彼女は悪いと感じていたのだろうか?
彼女は自分が色魔だと気づいていたのだろうか?
彼女は彼女自信では見つけることのできないパーツを見つけることは出来たのだろうか?
 
  正直に言うと、僕は彼女が僕だけのものになれば良いと思っていたんだ、不可能と知りながら。
  
  今、僕は初めて宇宙船から地球を見ている、そして彼女の住んでいるであろう大陸上辺りのパーツを探している。
宇宙の暗闇越しに地球を見る。
楕円形の青い水の星、子供の頃からずっと見たいと思っていた光景であった。
 しかし、何故か心の中に魂の中に一つパーツが足りない気持ちがする。
そう、僕も気ずかぬうちに、色魔になってしまったようだ。
  そして今、僕は無重力の勃起を体感している、地球人の彼女のことを考えながら。


Frank Dazai作品集

生前、彼の書いた主にショートショート、短編、また彼のライフスタイル等を掲載しております。 お時間があるとき、コーヒー片手にタバコを口許にお読み下さい。 お時間はとらせません。

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